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第56回(2023年度)MBC賞 受賞者

団体 「一般社団法人リバーバンク」
廃校の活用や空き家の再生事業を通じて地域の活性化に寄与

一般社団法人リバーバンク
 リバーバンクは南九州市川辺に有志によって設立された地域課題に取り組む一般社団法人。2010年に森の学校を会場としスタートしたグッドネイバーズジャンボリー(GNJ)をきっかけに、地域内外のメンバーが集まり2018年に発足した。旧長谷小学校(リバーバンク森の学校)と、川辺中学校旧校舎(リバーバンクタノカミステーション)の2つの廃校の管理運営と、サマーキャンプなどイベントの企画運営。それに周辺の空き家再生事業を柱とし活動している。GNJは一貫して森の学校の会場として協力し取り組んでおり、毎年地域内外の約2,000人が参加。鹿児島のカルチャーを全国に発信するイベントになっている。
 森の学校は自然体験施設として通年でキャンプや宿泊、合宿などを受け入れている。昨年4月、レストランとワークスペースを併設した「タノカミステーション」をオープン。今夏にはこの施設内にクラフトビール醸造所が開設された。空き家再生事業では、高田地区などで11棟の改修に関わり、約40人が移住している。これらの取り組みは地域の活性化に大きく貢献しており、今後ますますの発展が期待される。
(2018年設立 代表理事 坂口 修一郎 南九州市)

団体 「NPO法人がんサポートかごしま」
がん患者と家族のケアなどを通じてがんと闘う人々を支える活動

NPO法人がんサポートかごしま
 理事長の三好氏自身が乳がんを体験し、鹿児島県のがん患者とその家族の心身のケア等を行い、がん患者及び家族が希望を持って生活を送ることを支援し、またがんと闘う人々を地域社会全体で支えるための基盤づくりを目的に設立した。
 地域や医療機関内での「がん患者サロン」を運営、同じ患者同士、家族同士、遺族同士がお互いの悩みを分かち合い、聞きあう場所を提供している。昨年12月には、鹿児島市小野の一軒家を活用した地域がん患者サロン「がんサポHOME」を開設。
 小学校・中学校・高校生を対象とした「いのちの授業」を実施することで、がんの正しい知識・がん患者への正しい認識、命の大切さについて学んでもらう活動を行っている。ほかにも、医学教育や啓発活動、がん政策活動を続け、がん患者と家族のケアを地域社会全体で支えるための基盤づくりを続けている。
 がん患者や家族を支える多角的な取り組みは、年々広がっており、今後ますますの発展が期待される。
(2007年設立 理事長 三好 綾  鹿児島市)

個人 「吉俣 良」
音楽を通じた本県の文化振興・地域振興への貢献

吉俣 良
 1959年鹿児島市生まれ。幼少の頃より、音楽に慣れ親しみ、ピアノを始める。2008年のNHK大河ドラマ『篤姫』の音楽を担当し、その大ヒットの一翼を担った。「篤姫」という女性、そして彼女を育んだ「薩摩」を強烈に印象付けられたことによって、県外での本県の認知度向上や観光客の誘客につながった。
 また、多数のドラマ作品の音楽に加え、「国民文化祭かごしま2015」のテーマ曲や、「燃ゆる感動かごしま国体・かごしま大会」の式典音楽を手がけるなど本県の重要なイベントを盛り上げるうえで欠かせない存在となっている。
 また、今年開催された「ほこらしゃ奄美音楽祭」において、総合プロデューサーとして、楽譜のない島唄とオーケストラのコラボレーションの編曲を見事に成し遂げ、音楽祭を大成功に導いた。これからの取り組みは、音楽分野とを通じて本県の文化振興、地域振興に大きく貢献しており、今後ますますの活躍が期待される。
(1959年生まれ 東京都)

個人 「志賀 美英」
鉱物資源の普及活動を展開

志賀 美英
 鉱床学が専門の志賀氏は1982年に鹿児島大学へ講師として赴任。助教授や教授を務めながら、国内外で鉱物資源の調査研究を行い、鉄、銅、鉛、亜鉛、金、銀、錫、レアメタル等の鉱石を多数採取してきた。
 定年退職後は専門を生かして、島嶼を含む鹿児島県内の鉱山遺跡の調査を行ってきた。とくに関心を持ったのは鹿児島市錫山地区に残る錫山鉱山跡。1701 年から島津家直営となり、薩摩藩の近代化を支えたという錫の鉱山。ここには文化的学術的に貴重な遺構がほぼ手付かずのまま残っている。
 さらに氏は退職を機に、「鉱物資源に対する市民の関心を高め、理解の増進を図ること」を目的に、自宅の一部を改装して私設の鉱石展示室を開設。以来そこを拠点に講演や執筆、鉱石の展示会、鉱山や鉱山遺構の現地見学会など、鉱物資源の普及活動を展開している。
 鹿児島県の財産とも言える鉱山遺構。氏はその保存を強く訴えている。今後ますますの活躍が期待される。
(1947生まれ 鹿児島市)