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第52回(2019年度)MBC賞 受賞者

団体 「一般社団法人メディポリス医学研究所
メディポリス国際陽子線治療センター」
陽子線がん治療を通じて先端医療を国内外に発信

メディポリス国際陽子線治療センター
 がん治療を通じた先端医療を国内外に発信することで、鹿児島の新しい価値や地域力を作っている。2004年、閉鎖されていたグリーンピア指宿を購入し、先端医療を中核とした治療施設作りに着手。先端医療として粒子線治療を取り入れ、メディポリス国際陽子線治療センターを建設した。
 陽子線を使った治療は、手術や抗がん剤治療などに伴う痛みがなく、2011年1月に最初の治療を開始して以来、3300人を超える治療例があり、優れた治療実績を上げている。特に2018年から先進医療として保険診療となった前立腺がんについては、1300人を超える実績がある。また、乳がんについても、陽子線による世界初の早期乳がん治療を目指して、現在、臨床試験を続けている。
 世界的な規模で健康志向が高まる中、鹿児島県は温暖な気候や安心・安全な食、豊富な温泉資源など、健康・癒し・長寿に有益な地域資源を生かすと共にブランド化を図っている。その鹿児島で、先端医療を中核としたホテル滞在型の健康志向の施設であるメディポリスの取り組みも、鹿児島の魅力、イメージ作りに大きく貢献している。
 また、県内外や中国にも相談窓口を設けるなどして、海外からの患者の受け入れにも積極的で、医療を通して鹿児島とアジアのつながりも広げている。
(2006年設立 理事長 永田 良一 指宿市)

個人 「鮫島 吉廣」(国立大学法人 鹿児島大学 客員教授)
本格焼酎の研究や新技術開発を通じて鹿児島の魅力を全国に発信

鮫島 吉廣
 鮫島吉廣氏は、焼酎会社および大学に在職した約40年間、本格焼酎製造の新技術の開発ならびに焼酎の歴史や文化の調査、そして講演などを通して、本格焼酎の魅力発信に尽力してきた。その成果は、鹿児島の地酒であった本格焼酎が、鹿児島の歴史・風土・人によって生み出された高い醸造技術の産物であることを全国的に広く知らしめ、焼酎学という学問にまで高めることにも貢献している。
 平成18年度からは、鹿児島大学教授として、焼酎の製造技術や魅力などについて教育、平成24年度には、鹿児島大学に社会人を対象とした焼酎マイスター養成コースを立ち上げ、焼酎の魅力を発信できる「焼酎語り部」養成の主導的な役割を果たしている。
 焼酎の歴史についても深く研究し、本格焼酎の記録は大口郡山八幡神社の木札にかかれていた1559年が最古とされていたが、それより13年前の1546年、ポルトガル人、ジョルジェ・アルバレスの「日本報告」に焼酎についての記載がある事と、当時の焼酎が米焼酎である史実を初めて明らかにするなど、焼酎の歴史の第一人者でもある。
 さらに、焼酎に関する著作を通じての啓蒙活動にも積極的に取り組んできており、焼酎を通じた鹿児島県の教育および文化の継承・発掘、そして地域活動の活性化に大きく貢献している。
(1947年生まれ 南さつま市)